ストリートキャットのボブは薬物中毒を克服しようとたたかっていたストリートミュージシャンの人生を変えました。そして逆に、ジェームス・ボーエンは体調の悪かった雄猫の運命を変えた人物です。ヘルシンキ出身のカリタ・ジャラバは、ジェームスとボブの近所を訪れた4度目のロンドンの旅から戻ってきました。この二人組は彼女の人生にも変化をもたらしたのです。
 


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イズリントン・グリーン・ストリートの角にあるウォーターストーンズ・ブックストアの外には順番を待つ人達が列をなしています。 カリタ・ジャラバは幸運です。彼女は本の出版記念に参加するだけのためにフィンランドの首都からロンドンに旅行してきて、彼らと会える整理券を手に入れたのですから。

人々は囁き始め、その声は叫び声と悲鳴に変わります。

それはロックコンサートのような感じでした。ジェームスとボブが現れました。それは2013年の午後だったとカリタは覚えています。

メディアとジャーナリストがアメリカと韓国から到着していました。 彼らはボブのファンにもインタビューしています。ファンは英国中から出版記念とサイン会に参加するために集まっていました。 ドイツからはモニカと、はるばる日本からはトモコが来ていました。 フィンランドからはカリタだけです。

私達のフェイスブックのグループの創立者で管理人であるマーティン・ピケットは「ボブに熱中する」意味からボビティスという名前を思いつきました。 プロフィールの名前をボビティスに変えるというアイディアも浮かびました。私はすぐに名前を変えました、最初でした、そして他の人達が続きました。フェイスブックグループ「『ボブという名のストリートキャット』の映画を作ろう」の活動メンバーのひとりであるカリタは笑います。

叫び声が再び始まります。ジェームスは煙草を持ってブックストアの2階のバルコニーから姿を見せました。再びカリタは幸運にも彼の写真を撮ります。



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私の順番が来てサインとボブの肉球スタンプを貰い、私達は抱き合いました。私はジェームスにカレヴァラ(フィンランドの民族叙事詩)を英語に翻訳して渡しました。そこには200300人が列を作っていたので、他の事を話す時間もなく全てがあっという間の出来事でしたが、彼の幸運と健康を願っていることを伝えることが出来ました。


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カリタは著作権エージェントのマリー・パチノスにも会いました。 彼女は素晴らしいニュースを持っていました。 彼らは『ボブという名のストリートキャット』を出版するフィンランドの会社と取引があり、来春にフィンランド語で出版されることになったということを教えてくれたのです。 やったわ!

カリタは本棚の間で一休みするしかありませんでした。 突然、ジェームスとボブがブックストアを離れ彼女のそばを通り過ぎました。

ボブはイズリントン・メモリアル・パークで仕事をしなくてはならなかったのです。

ヘルシンキから来ているキャットレディが素晴らしい二人組に会うのは初めてではありませんでした。 全ては二年前のロンドン・ヒースロー空港で始まっていたのです。

私はブックストアにいて、表紙に茶トラの猫のついた文庫本を見つけました。 彼は私の今は亡き愛しいカール・ザ・ガーフィールドを彷彿とさせました。 本は2か月前に出版されていました。 それ以来、私は彼らの本を購入しないと気が済まないキャット・ラバー(猫愛好家)です。


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裏表紙には、ジェームス・ボーエンが彼の住む居住支援ビルのホールで、傷ついた猫を見つけたいきさつが載っています。 自分の人生が永遠に変わろうとしているとは、彼は知る由もありません。 けれども、自分自身の問題を抱えていた彼に果たして猫の世話が出来るのでしょうか?

『ボブという名のストリートキャット』は英国だけで100万部以上売れました。 ドイツではそれ以上、そして世界的にはおよそ500万部も売れました。 ジェームスとボブの物語は37か国の言語に翻訳されています。

幸運にもフライトが1時間遅れ、カリタは最初の数ページを読んで涙を流しています。 ボブの行動で面白い部分はくすくす笑ってしまいます。

201374日の「ロックコンサート」は、『ボブがくれた世界 ぼくらの小さな冒険』の出版日でした。 ジェームスとボブに次々と起こる出来事について描かれています。 ジェームスはすでに6冊の本を出版しています。 7作目を執筆中で来秋に出版されます。 また彼らの物語の映画も進行中です。


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私はこの物語に夢中です。なぜなら、それは真実で温かく動物と人間との愛情や優しい思いについて描かれているからです。 最初は彼らについて誰も知らなかったので、「フェイスブックで初めてのフィンランド人ボブファンのページ」を立ち上げました。 私は新聞や雑誌社、そして処女作を手に入れるために出版社にもメールを送りました。

『ボブがくれた世界 ぼくらの小さな冒険』は『ボブという名のストリートキャット』の続編です。彼らの日々の生活と最初の本の誕生を追っています。本の最後で、彼らは処女作出版の日にイズリントン・ウォーターストーンズ・ブックストアへ入って行きます。 そこには誰がいるでしょうか? 数冊は売れていることを願いつつ。
 

それを読んだ時に背中がぞくっとしました。 私はまさにそのブックストアにいたからです。


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けれど初めて実際に出会ったのは、カリタが孫娘と一緒にロンドンを訪れた2013年でした。 マダムタッソー蝋人形博物館や他の観光地を見に行きました。

私はグーグルマップでコベントガーデンとニールストリートの場所を確認しました。 そこでジェームスとボブがストリートミュージシャンをし、ビッグイシューを売っていました。 私はそこを訪れたかったのですが、孫娘にそれを明かすことは出来ませんでした。

ついに彼らはニールストリートに辿りつきました。 フィンランドからの旅行者はその通りを歩き、前方に人の群れがいるのに気づきました。 そう、そこには長い黒髪の男性が群衆の真ん中に立っていました。

それからギターが見えました。 ああ!そばにいたので、ひざまずくことが出来ませんでした。 すべての聖人に感謝しました。 それは当初から私の希望であり夢でもありました。 それが現実になったのです! 孫娘は大丈夫でしたが、私はパニック状態になってしまいました! 現実のはずがない! あなたが願っていることが現実になったときは気を付けてくださいね!



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ジェームスはギターを弾き、ボブはお釈迦様のように彼の前に座っています。

それから弾き語りの最中に、同じ通りでこれまでに何度もしたように、ジェームスはボブを肩に乗せます。


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イギリスの独立テレビジョンは彼らの番組を収録していました。 それは全て演出でした。 なぜなら素晴らしい二人組はもはや通りにいる必要がなかったからです。

カリタはジェームスにたくさん話しかけます。彼女がフィンランドから来た熱心なファンであること。彼の本を数回読んだこと。カリタはボブをちょっとだけ抱きしめます。

彼らに出会ったことが転機でした。 もし彼らと会っていなければ、この物語にのめり込むことはなかったでしょう。 それは偶然に起こったのだと私は思います。


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イズリントン・ウォーターストーンズ ズ・ブックストアと「第一回目公式の集い」に戻ります。

ボビティスのグループの管理人、マーティン・ピケットは「もう止まることが出来ないよ」と語りました。




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最初のボブフェストチャリティーのアイディアがひらめき、一年後には開催する予定になりました。以上!

私達は20145月第一回目のボブフェストのチケットを売り始めました。

100枚全てのチケットがすぐに売り切れました。他のフィンランド人のボビティス2人と友人のシルパも一緒に来ました。


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ボブファンはブルークロス協会のためにラッフル(慈善事業の富くじ)やオークションを計画しました。 ブルークロスは高い治療費を払う余裕の無い飼い主のペットのために無料の医療サービスを提供しています。 ボブの怪我が治るまで、ジェームスが世話をする際にも手助けしました。

ブルークロスはボビティスから8,000ポンド受け取りました。
 

『ぼくの名前はボブ』という本が出版されたばかりで、初めてのボブフェストが開催されるその日に、ジェームスとボブはイズリントンから40マイル離れたキングストン・アポン・テムズでサイン会を行いました。 シルパと私はそこへ行って、ジェームスにフィンランドファン40人分の寄せ書き付きのフィンランド語版を渡しました。 シルパはついに彼らと合うチャンスに恵まれたのです。 長い列の順番待ちで一緒に写真を撮る可能性はなかったのですが、私達は例外でした。 「ありがとう、ゲイリー」カリタは微笑みます。


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今年のボブフェストでは2度にわたりチケットが売られ、4大陸およそ20か国からボブファンがやってきました。523日にイズリントンアセンブリーホールで開催されると発表がありました。
 

ジェームスが到着します。皆さんはテーブルについてください。皆さんとお会いするために、彼はテーブルを回ってくれるでしょう。


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そうですね…座る人なんて、いなかったですよ! 私は長い間、笑ったり泣いたりしなかったけれど、ロンドンのその夜と数日間は大いに笑ったり泣いたりしました。

ボブフェストはボブファンの集いでもあるのですが、その大きなイベントは猫派の人間達の幸せな気持ちで溢れていました。 それを上手く表現することは出来ないけれど、雰囲気を感じてください。


 

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そうなんです、カリタはいつも一生懸命に説明してくれます。 ボブフェストに参加した時の事、一瞬の静寂があり、虹の橋を渡った最愛の今は亡き四つ足の家族に敬意を表して編集されたビデオを観た事など全ての思いと感情を最良の方法で表現してくれます。

マリア・カールトンはクィーンの美しい歌『君だけに』を歌いました。

 

 

 

 

 ジェームスがテーブルに座って本や写真や旗などにサインをしている時も、グロリア・マカリがステージに上がり、『そしてついにボブがやって来た』という心に沁みる歌を披露していました。

グロリアは『ボブという名のストリートキャット』を読み、インスピレーションを受けて素晴らしい詩を書きました。 彼女の息子ドミニク・フェリスはそれを美しく繊細な曲に仕上げました。 そのビデオは処女作が出版される前のジェームスとボブの生活を映し出しています。





 

今回、ボブフェストで募金活動をした目的はビッグイシュー基金のためでした。

ビッグイシューはホームレスの人々によりイギリス国内のあらゆる通りで販売されています。 彼らは雑誌を半額で購入し、2.5ポンドで売っています。 基金は彼らにシャワーを提供したり、病気や他の問題で手助けすることで支えています。 ジェームスとボブもかつてはビッグイシューの販売者でした。



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もう一方の資金調達目標は「ボブのワールドキャットカフェ」でしたね。 従来のような猫カフェではなく、家のない猫や子猫を引き取ってくれる人達の手助けをするような場所になるでしょう。

また動物の世話をするための講座も行われるでしょう。 このカフェチャレンジについてですが、151,000ポンド以上の寄付が集まりました。当初の目標は125,000ポンドでした。

これがロンドンへの最後の旅になると思っていました。 けれど、それは違ったのです! 私は、ベルギー人のボブファンと一緒に行く2人用のオープニング・ナイト・パーティーチケットを持っています。 新しい猫カフェへの寄付として売られていた特権も手に入れました。

私のカール(猫)の写真は猫達のモザイク写真で出来たメニュー表の表紙を飾るでしょう。



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これらの集いを通じて、ジェームスがどのようなタイプの人物と判断されたか説明をお願い出来ますか?

 

ジェームスは繊細でシャイでマナーが良くとても謙虚です。

彼は多くの人達と話したり一緒に過ごすことが好きで、いつもとてもフレンドリーで礼儀正しいです。
 

ストリートキャットのボブはどうですか? どんなタイプの猫ですか?
 

私は人だかりの中にいるボブを見たことがありますが、そんな時でも彼はお釈迦様のように座り穏やかで落ち着いています。 彼が首の周りにスカーフを巻いて、それを外そうともせずに座っている様子も不思議でなりませんでした。 そうですね、ボブにはボブのやり方があるのでしょう。 カリタは笑います。
 

最強のフィンランド人ボブファンには楽しい物語や思い出が沢山あり、それらは笑いを誘うものですが、一方では彼女をとても深刻にさせてしまうこともあります。

 

私自身の娘も、まさにジェームスと同じく20年間麻薬患者でした。 年齢も同じです。

二人の類似点は私の心の琴線に触れました。 私はボブの世界に流れ込んでしまったのです。

彼らの本を読むことで、自分の娘をよりよく理解出来るようになったのです。






 


日本語翻訳: 結菜やよひ
 
 
原文はフィンランド語 (ミンナ・カイネネン)





 

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